進の青年に承認さしていた。それだけの犠牲は最初はたやすく承諾されたが、やがて作者の苦痛とするところとなったらしかった。
公演の晩になると、若者の作品はなんらの成功をも博さなかった。クリストフの作品は非常な評判を得た。幾つかの新聞はクリストフを中傷した。一人の若い偉大なフランスの芸術家を圧倒するために、手筈《てはず》が定められ奸計《かんけい》がめぐらされたと報じていた。その作品はドイツの大家の意を迎えんために寸断されたと称し、このドイツの大家こそ当来の光栄にたいする下劣な嫉妬《しっと》の代表だと称していた。クリストフは肩をそびやかしながら考えた。
「彼が返答してくれるだろう。」
しかし「彼」は返答しなかった。クリストフは新聞記事の一つを彼へ送って、それに書き添えた。
「君は読んだでしょうね。」
相手は返事をよこした。
「実に遺憾なことです! この記者はいつも私にたいしてやかましいのです。ほんとうに私は気を悪くしました。しかしこんなことに注意を払わないのが最善の策かと存じます。」
クリストフは笑ってそして考えた。
「彼の言うところも道理だ、卑怯《ひきょう》者めが。」
そして彼はそ
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