作を上演するために、すでに決定していたある若い作曲家の作品が無期延期になった、ということを知った。記者はそういう権力の濫用を憤慨して、クリストフに責《せめ》を負わしていた。
クリストフは劇場の支配人に会って言った。
「君は僕に前もって知らせなかったですね。そんなことがあってはいけない。僕のより前に採用した歌劇《オペラ》をまず上演してほしいものです。」
支配人は驚きの声を立て、笑い出し、申し出を拒み、クリストフの性格や作品や才能などをやたらにほめたて、若い作曲家の作品を極度に貶《けな》して、なんらの価値もなく鐚《びた》一文にもならないものだと断言した。
「ではなぜそれを採用したんですか。」
「思いどおりのことができるものではありません。時には一般の意見に満足を与えるような様子もしなければなりませんからね。昔は、若い連中がいくら怒鳴ってもだれ一人耳を貸しませんでした。けれど今では、われわれに対抗して国家主義の新聞紙を狩り集める方法を、彼らは考えついています。あいにくと彼らの若い一派に惚《ほ》れ込まないときには、裏切りだの有害なフランス人だのと怒鳴らせるんです。若い一派、どうです……私の
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