らく軽蔑《けいべつ》したろうがしかもまた愛してきた女の、その夫にたいする追憶の念も加わってくる。それは実に、人の識域下の薄暗いなま温かい温室の中に萌《も》え出る、魂の麻酔的な花である。
グラチアは二人の子供に平等に愛情を注ごうと注意していたけれど、オーロラはその愛情の差を感じて、いくらか苦しんでいた。クリストフは彼女の心を察し、彼女はクリストフの心を察していた。そして二人は本能的に接近していった。それに反して、クリストフとリオネロとの間には一つの反感があった。それを子供のほうでは、舌ったるいかわいげな様子を誇張して包み隠していたし、クリストフのほうでは、恥ずべき感情としてみずからしりぞけていた。彼は強《し》いて自分を押えつけた。愛する女の子としてその子をもつことが非常に楽しいことででもあるかのように、その他人の子をかわいがろうとつとめた。リオネロの悪い性質を、「あの男」を思い出させるようなものを、すべて認めたくなかった。リオネロのうちにグラチアの魂だけを見出そうと骨折った。しかるにグラチアはクリストフよりいっそう明敏だったから、息子の上になんらの幻をもうち立ててはいなかった。そしては
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