がますます近づいてゆくのを見てとった。……そしてある日……彼は彼女に話をしながら、突然言葉を途切らして、黙って彼女をながめた。
「どうなさいましたの?」と彼女は尋ねた。
「今日、」と彼は言った、「あなたはすっかり私のところにもどって来られたんです。」
 彼女は微笑《ほほえ》んで、ごく低く答えた。
「そうです。」
 落ち着いて話をすることはあまりできなかった。二人きりのときはごくまれだった。コレットは二人が望む以上に始終そばにいた。彼女はいろんな欠点があるにしてもやはりよい人物で、グラチアとクリストフとを心から好きだった。けれど自分が二人の邪魔になっていようとは思いもつかなかった。彼女は彼女のいわゆるクリストフとグラチアとの艶事《つやごと》なるものをよく見てとっていた――(彼女の眼はなんでも見てとった。)そして艶事は彼女の畑だったので、非常に面白がった。ますます勢いづけてやりたかった。しかしそれこそ二人が彼女に求めない事柄だった。無関係なことに干渉してもらいたくなかった。彼女が姿を現わすだけで、あるいは控え目な(出すぎた)言葉で二人のいずれかにその愛情を仄《ほの》めかすだけで、二人は冷や
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