しそうでなくちゃその仕事をりっぱになすことはできない。」
「よく人がそう言います。」
「なんだって、人がそう言うって?……いや、この私がそう言うのだ。私は自分の仕事をもう四十年も勉強してる。そしてようやくそれがわかりかけてきたのだ。」
「自分の仕事を学ぶのに四十年ですって! ではいつになってその仕事がやれるんでしょう?」
クリストフは笑いだした。
「理屈屋のフランス人だね!」
「私は音楽家になりたいんです。」とジョルジュは言った。
「それじゃあ、君はもう音楽をやり始めても早すぎはしないから、私が教えてあげようか。」
「ええ、そしたらどんなにうれしいでしょう!」
「明日《あした》来たまえ。君の価値をためしてみよう。もし君にそれだけの価値がなかったらピアノに手を触れることを禁ずるよ。もし君に能力があったら、君がなんとかなるように骨折ってみよう……。しかし言っておくが、私は君に勉強させるよ。」
「勉強します。」とジョルジュは大喜びで言った。
二人は翌日会うことにきめた。しかしジョルジュは帰ってゆく間ぎわになって、翌日もまたその翌日も、他に約束があることを思い出した。彼はその週の終わりにな
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