ジャン・クリストフ
JEAN−CHRISTOPHE
第九巻 燃ゆる荊
ロマン・ローラン Romain Rolland
豊島与志雄訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)金剛石《ダイヤ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)多少|矜《ほこ》らかな
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「需+頁」、第3水準1−94−6]
−−
[#「われは堅き金剛石《ダイヤ》…」の楽譜(fig42598_01.png)入る]
われは堅き金剛石《ダイヤ》
金槌《つち》にも鑿《のみ》にも
打ち砕かれじ。
打て、打て、打ちみよ
われは死なじ。
死してはまた生き
屍灰《はい》より生まるる
不死鳥のわれ。
殺せ、殺してみよ、
われは死なじ。
――バイーフ――
[#改ページ]
一
心の静穏。風はやんだ。空気は動かない……。
クリストフは落ち着いていた。彼のうちには平和があった。彼は平和を得て多少|矜《ほこ》らかな感じがした。そして内心では、
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