クリストフは、オリヴィエを非常に愛していたにもかかわらず、時とするとそのそばから逃げ出さざるを得なかった。彼はあまりに強く、あまりに健やかであって、空気のないその苦しみの中では息がつけなかった。いかに彼は自分自身を恥じたことだろう。友のために何にもなし得ないのをみずから憤慨した。そしてだれかにその腹癒《はらい》せをしたくなって、ジャックリーヌを恨むようになった。アルノー夫人の明敏な言葉があったにもかかわらず、彼はなおジャックリーヌを苛酷に判断していた。それも、まだ人生をよく知っていないために、人生の弱点にたいしては思いやりのない、年若い激烈な一図な魂をもっている彼としては、無理もないことだった。
 彼はセシルとセシルに託されてる子供とによく会いに行った。セシルは養い児の母親となって様子が一変していた。若く楽しく上品にやさしくなってるようだった。ジャックリーヌが立ち去ったことが、彼女のうちに知らず知らず幸福の希望を起こさしてはいなかった。ジャックリーヌの追想は、ジャックリーヌがそばにいるよりもなおいっそう、自分からオリヴィエを遠ざけるということを、彼女は知っていた。そのうえ、彼女の心
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