ずから思うときには、彼らは用心深く身を退《ひ》いて、あたかも罪人にたいするように苦しんでる者にたいして、その周囲に空虚を作り出す。そして彼をあまり助けてやらないことをみずからひそかに恥じているので、ますます助けてやらなくなる。向こうに自分を忘れさせようとつとめ、自分でも自分を忘れようとつとめる。そしてもし、煩わしいその不幸が執拗《しつよう》につづくならば、不謹慎な訴えが自分の隠れ家へまではいって来るならば、悩みに堪えきれないでいるその勇気のない男にたいして、苛酷《かこく》な批判をくだすようになってくる。そしてその男は、不幸に圧倒されてしまうときには、友人らの心からの憐憫《れんびん》の情の底に、つぎの軽蔑《けいべつ》的な裁断を見出すに違いない。
「気の毒な奴だ。俺《おれ》は彼をもっとしっかりした男だと思っていた。」
そういう普遍的な利己心のうちにおいて、ちょっとしたやさしい言葉や、細やかな一つの注意や、憐《あわ》れみをたたえた愛の眼つきなどが、いかに得も言えぬ慰安を人に与えることだろう。人はそのときに初めて温情の価値を感ずる。そして他のすべてのことは、温情に比較してはいかにも貧弱に思わ
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