ています。そして僕はまた避難所をも知っています。」
「どんな?」
「芸術です。」
「それはあなたがたにはいいかもしれませんが、私たち女には駄目《だめ》です。そして男のうちでさえ、芸術を利用できる人がどれだけありましょう?」
「あのセシルをごらんなさい。幸福ですよ。」
「あなたにはそれがわかるものですか。ほんとにあなたは早合点ばかりなさるんですね。あの女《ひと》が元気だからといって、いつまでもぐずぐず悲しんでいないからといって、悲しみを他人に隠してるからといって、それであなたはあの女《ひと》が幸福だとおっしゃるのでしょう。もとよりあの女《ひと》は、身体も丈夫だし戦うこともできますから、幸福には違いありません。けれどあなたはあの女《ひと》の戦いがどんなものだか御存じありません。人を欺きやすい芸術生活にあの女《ひと》が適してると思っていられるのですか。芸術! 書いたり演じたり歌ったりする光栄を、幸福の絶頂かなんかのようにあこがれてる憐《あわ》れな女たちがいることを、考えてもみますと!……彼女たちにはあらゆるものがかなり不足してるに違いありませんし、もう自分ではどういう愛情に身を委《ゆだ》ねて
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