の女《ひと》もやはり苦しんだとはお考えになりませんか。単に浮気のせいで、子供を捨てたり生活を破壊したりされたのだと、お思いになりますの。あの女《ひと》自身の生活も破壊されたのではありませんか。私はあの女《ひと》をあまりよくは知りません。お目にかかったのも二度きりで、それもほんのついでにだったんです。私に親しい言葉もおかけになりませんでしたし、同情ももっていられませんでした。それでも私は、あなたよりもよくあの女《ひと》の心を知っています。悪い方《かた》でないことを確かに知っています。かわいそうな方ですわ。あの女《ひと》の心中にどういうことが起こったか、私には察しられます……。」
「りっぱな正しい生活をしていられるあなたに!……」
「ええ私に。あなたにはわからないのです。あなたはいい方だけれど、男ですもの。やさしくはあっても、みんな男の人と同じように、やはり頑固《がんこ》なのです――自分以外のものには少しも察しがないのです。あなたがた男の人は、自分のそばにいる女の心を、夢にも御存じありません。自己流に女を愛してはいらっしても、少しも女を理解しようとはされません。たやすく自分だけに満足してい
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