ともまた、当時の思想が激賞する美徳の一つだった。しかし、健全なる者にとってはすべてが健全であり、腐敗せる心にとってはすべてが腐敗であるということは、ここにおいて見られるのである。時としては、真面目であることがきわめて醜悪になる。凡庸な者どもにとっては、自分の胸底を読み取ろうとするのは悪いことである。彼らはそこに自分の凡庸さを読み取る。しかも自尊心を育てるだけのものはなお残っている。
 ジャックリーヌは、鏡で自分の姿をながめてばかりいた。見ないほうがよろしいいろんなことを見て取った。見てしまった後ではもう、それから眼をそらすだけの力がなかった。それらを征服するどころか、それらがしだいに大きくなるのを認めた。非常に大きくなっていって、ついには眼も考えもそのほうに奪われてしまった。
 子供は彼女の生活を満たすに足りなかった。彼女は乳が不足して、子供は衰えていった。乳母《うば》を雇わなければならなかった。初めはそれがたいへんつらかった――が間もなくそれは安堵《あんど》の念をもたらした。もう子供はたいへん丈夫になった。根強く元気に育ってゆき、少しも手数をかけず、たいてい眠ってばかりいて、夜もあま
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