人であるなどと、その面前で言っていた。その「もっとも堂々たる人物」は、笑いながらミンナの頬辺《ほっぺた》をつついて、「卓越した女」であると、クリストフへ断言していた。この高等法院顧問官は、クリストフの身の上を知っているらしかった。そして、一方に彼の処刑があり、他方に彼をかばってる高貴な保護があるので、敬意をもって彼を取り扱うべきか、あるいは敬意なしに取り扱うべきか、はっきりわからないらしかった。で結局両方を交えた態度で取り扱おうと決心した。ミンナのほうは始終口をきいていた。自分のことをクリストフへ十分述べつくすと、こんどはクリストフのことを話しだした。彼が尋ねもしないのに非常に打ち解けた事柄まで話して聞かしたと同様に、きわめて打ち解けた事柄まで尋ねかけて彼を困らした。彼女は彼に再会したのをたいへん喜んでいた。彼の音楽については何にも知らなかったが、彼が有名になってることは知っていた。昔彼から愛されたことを――(そしてそれをしりぞけたことを)――ひそかに誇りとしていた。冗談の調子でかなり露骨にそのことをもち出した。彼女は自分の写真帳《アルバム》に彼の自署を求めた。彼女はパリーのことをしつ
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