は激昂《げっこう》してしまった。
 そこで、彼にたいする戦いが始められた。彼らはあらゆる武器を用いた。そのうえにまた、屁理屈《へりくつ》の武器蔵から古い戦《いくさ》道具まで取り出した。それはあらゆる創造者にたいして無力な者どもが順々に使用していったもので、けっして人を殺したことはなかったが、一般の馬鹿者どもにはかならず効果ある影響を及ぼすのだった。すなわち彼らは彼を剽窃《ひょうせつ》者だと誣《し》いた。彼の作品や無名な音楽家らの作品の中から、勝手な部分を選み取ってきていい加減に変装さした。そして彼は他人の霊感《インスピレーション》を盗んだのだと証明した。彼は若い芸術家らを窒息させたかったのだと中傷した。ところが、吠《ほ》えるのを職務としてる奴ら、背の高い人の肩によじ登って「俺《おれ》はお前より高いぞ」と叫ぶ、それら小人の批評家ども、それだけが彼の相手ならまだよかった。しかしそうはゆかなかった。才能ある人々もたがいに攻撃し合うものである。各人が仲間の者らにとっては我慢できない人物となるものである。それでもなお、人の言うごとく、各人が平和に仕事し得るくらいには十分世界は広いし、また各人はす
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