芸術的作品なんかがなんだろう? 私がほんとうにそれを好きかどうかもわからないし、それがほんとうに存在してるかどうかもわからない……。」――ある日などは、彼女は元気に話をし、オリヴィエといっしょに笑い、二人で話してる事柄に興味を覚えてるらしい様子をし、みずから気を紛らそうとした……。がそれも駄目だった、にわかに不安が襲ってき心がぞっと冷えきって、涙も出ず息もつけずに、たまらなくなって身を隠した。――彼女はオリヴィエにたいする自分の計画を一部なしとげた。オリヴィエは懐疑的になり社交的になった。けれどそれも彼女には別にありがたくなかった。彼女は彼を自分と同じく弱者だと思った。ほとんど毎晩二人は外出した。彼女は自分の苦しい倦怠《けんたい》を、パリーのあらゆる客間にもち運んでいた。彼女のいつも武装してる微笑の皮肉さの下にそれを見てとる者は、だれもいなかった。彼女は自分を愛してくれて深淵《しんえん》の上にささえ止めてくれる者を、捜し求めていた……。けれど駄目、駄目、駄目だった。彼女の絶望的な呼び声に答えてくれるものは、何もなかった。ただ沈黙ばかり……。
 彼女は少しもクリストフを愛してはいなかった
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