》みついたりした。あるときなどは、首をくくろうとした。しかしそれはしとげられなかった。やり始めるとすぐに、もう厭《いや》になってしまい、あまりうまくゆきそうなのが恐ろしくなった。もう息がつけなくなって、ひきつった手で大急ぎに紐《ひも》を解いてると、生きたいという激しい願いがこみ上げて来た。そして、死によってのがれることができなかったので――(クリストフは、自分の昔の同様な苦難を思い起こしながら、悲しげな微笑《ほほえ》みを浮かべて聞いていた)――彼女は打ち克《か》って、自由な富裕な身になって、自分を虐《しいた》げてる人々を皆足下に踏みつけてやろうと、みずから誓った。亭主の怒鳴り声や、なぐられてる母の喚《わめ》き声や、強迫されてる姉の泣き声などが、隣の室に聞こえてるある晩、彼女は自分の汚《きたな》い室の中で、右の誓いをたてたのだった。彼女はどんなにか自分を惨《みじ》めに感じたことだろう! それでも彼女は、みずからたてた誓いに慰められた。彼女は歯をくいしばって考えた。
「今にみんなをやっつけてやる。」
 そういう陰惨な幼年時代のうちにも、ただ一点の光明が存在していた。
 ある日、同じ泥濘《で
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