うに、彼も僕同様に苦しんでいます……。まったく僕たちはもう会わないんです。」
「手紙もまいりませんか?」
「来ません。」とクリストフはやや恥ずかしそうに言った。
「ほんとに世の中は悲しいものですわね!」とアルノー夫人はややあって言った。
 クリストフは顔をあげた。
「いいえ、人生が悲しいのではありません。」と彼は言った。「悲しい時があるのです。」
 アルノー夫人は悲痛さを押し隠して言った。
「以前は愛し合ったのに、もう愛し合わなくなる。それが何かのためになりましょうか。」
「愛し合っただけでいいんです。」
 彼女はなお言った。
「あなたはあの人に自分をささげていらした。そのあなたの献身が、せめて愛する人の役に立っていますればねえ! けれど、それでもやはりあの人は幸福ではありませんわね。」
「僕は身をささげたのじゃありません。」とクリストフは憤然として言った。「そして僕がもし身をささげるとすれば、それは僕にとってそうするのがうれしいからです。議論の余地はありません。人はなすべきことをなすのです。もしそれをしなかったら、きっと不幸になるでしょう。献身という言葉くらい馬鹿げたものはありません
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