自分の生命で養ってゆく。しかし女はそれで自分の生命を養ってゆく。女はそれを吸い取るのみで、それを育て上げはしない。女の精神や心には、たえず新たな養分を投げ与えなければならない。その精神と心とは自分だけではやってゆけない。そして信と愛とがない場合には、女はかならず破壊を事とする――少なくとも、最上の徳たる平静を天から恵まれていない場合には。
ジャックリーヌは以前、共通な信念の上に築かれた夫婦結合を、いっしょに戦い苦しみ働くの幸福を、深く信じていた。しかしその信念たるや、それが愛の太陽に美《うる》わしく照らされるときにしか信じられなかった。太陽が沈んでゆくに従ってそれは、空虚な空の上にそびえてる不毛な陰暗な山のように思われてきた。そして彼女は同じ道をたどり行くには、もうその力がないような心地がした。頂に達したとて何になるものか。山の彼方《かなた》に何があるものか。なんというはなはだしい欺瞞《ぎまん》だったろう!……どうしてオリヴィエがやはりなお、生命を蚕食するその空想に欺かれてるかを、ジャックリーヌはもう理解することができなかった。オリヴィエは知力と生活力とを多くもってはいないのだと、彼
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