ちの数名と交渉をつけた。あるいは、孤立した若い人々で、困難な生活をし、達せられるかどうか自分でもわからないある理想を、一身をあげて翹望《ぎょうぼう》していた。そしてクリストフの親愛な魂を、むさぼるように吸い込んでいた。あるいは、地方のみすぼらしい人々で、クリストフの歌曲集[#「歌曲集」に傍点]を読んでから、シュルツ老人のように彼へ手紙を送って、彼と結びついた気になっていた。あるいは、貧しい芸術家たち――とりわけ一人の作曲家は熱心だった――で、ただに成功へばかりではなく、自己を表現することへも到達することができなかったので、自分の思想がクリストフによって表白されてるのを、非常にうれしがっていた。そのうちでもおそらくもっともなつかしみのある人々は、名前を明かさずに、より多く自由に書けるようにして、自分を助けてくれた兄とも言えるクリストフへ、心からの信頼の念を率直に訴えてきた。クリストフは、それらのやさしい魂の人たちを愛し得たらさぞうれしいだろうと思えるのに、いつまでも直接知り合いになれそうもないと考えると、胸がいっぱいになるのを覚えた。そして、彼らがクリストフの歌曲集[#「歌曲集」に傍点]
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