闢セる相手は、われわれのうちではほとんどユダヤ人らばかりなんだ。他の者どもは、過去のうちに、死んだ事物のうちに、じっと閉じこもっている。があいにくその過去は、ユダヤ人らにとっては存在しない、あるいは少なくとも、われわれが考えるのと同様なものではない。彼らを相手にしては、われわれは今日のことしか話すことはできない。ちょうど、同民族の者らとわれわれが過去のことしか話し得ないのと同じだ。あらゆる事柄におけるユダヤ人の活動を見てみたまえ、商業に、工業に、教育に、学問に、慈善事業に、芸術に……。」
「芸術のことは措《お》こうじゃないか。」とクリストフは言った。
「僕は彼らがなすことにいつも同感してると言うのじゃない。往々|嫌悪《けんお》の情さえ覚ゆることがある。が少なくとも、彼らは生きているし、生きてる人々を理解し得るのだ。われわれは彼らなしに済ましてゆくことはできない。」
「大袈裟《おおげさ》なことを言うなよ。」とクリストフは嘲《あざけ》り顔に言った。「僕はユダヤ人なしにやってゆけるよ。」
「おそらく生きてはゆけるだろうよ。しかし君の生命や君の作品が、だれにも知られずに終わったら、それがなんの
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