は、銀の波をなした月光の下に、無限の静寂があった。遠くで、柴《しば》小屋の中にうとうとしてる収穫の番人らが、眼覚《めざ》めてることを盗人に知らせんがため、時々小銃を打っていた。半ば眠りながら聞く人々にとっては、その音も、夜の時間を遠くで刻んでる、平和な時計の音と異ならなかった。そして静寂はまた、襞《ひだ》の広い柔らかなマントのように、人の魂を包んでいった。
小さなグラチアの周囲では、人生が眠ってるかのようだった。人々はあまり彼女に干渉しなかった。彼女は美しい静穏のうちに浸って、静かに生長していった。いらだちも気忙《きぜわ》しさもなかった。彼女は怠惰で、ぶらついたり寝坊したりするのが好きだった。幾時間も庭の中に寝そべっていた。夏の小川の上の蝿《はえ》のように、静寂の上に漂っていた。そして時とすると、理由もなく突然走り出すことがあった。頭と上半身とを軽く右に傾けながら、しなやかに暢々《のびのび》として、小さな動物のように駆けた。飛びはねる面白さのために石ころの間を登ったり滑《すべ》ったりする、まったくの子|山羊《やぎ》であった。また彼女は、犬や蛙や草や木や、家畜場の百姓や動物などを相手に
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