る人々の精神に帝王の精神を課し得る者が、あるだろうか?――劇場の廊下で初日の晩に、批評家らが言い合ってる言葉を、クリストフはふと耳にすることがあった。
「どうだい。まずいね。失敗だね。」
 しかも翌日になると彼らは、傑作だとか、新しいシェイクスピヤだとか、天才の羽ばたきが頭上をかすめたなどと、新聞記事の中で言っていた。
「君らの芸術に欠けてるものは、」とクリストフはシルヴァン・コーンに言った、「才能よりもむしろ性格だ。君らに多く必要なのは、偉大な批評家であり、レッシングであり、また……。」
「ボアローかね?」とシルヴァン・コーンはひやかして言った。
「おそらくそうだ。十人の天才芸術家よりも一人のボアローだ。」
「ボアローがいたって、」とシルヴァン・コーンは言った、「だれも耳を貸すまいよ。」
「耳を貸す者がいないとすれば、その男がボアローでないからだ。」とクリストフは答え返した。
「僕は誓っておくが、もし僕が君らの赤裸々な実相を言ってやろうと思ったら、その時こそは、いかに僕が無器用であるにせよ、君らに耳を傾けさせないではおかない。かならず君らに丸飲みにさせてみせる。」
「そうかねえ。」と
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