、一種の恥ずべき自涜《じとく》行為のうちに消費されていた。彼らはそのことに少しも気づかなかった。彼らは笑っていた。しかしその一事こそ、クリストフを安心さしたことだった。彼らもなおよく笑うことを知っていたのだ。すべてが失われたのではなかった。彼らが真面目《まじめ》な顔をしたがる時には、彼は彼らをあまり愛せられなかった。芸術のうちに快楽の道具をしか求めていないような著作家らが、無私無欲な宗教の牧師らしいふりを装《よそお》うのを見るくらい、彼の気色を害するものはなかった。
「われわれは芸術家だ。」とシルヴァン・コーンは満足げにくり返していた。「われわれは芸術のために芸術をこしらえてるんだ。芸術は常に純潔である。芸術の中にあるものは清浄なものばかりである。何事にも面白がる漫遊者として、われわれは人生を探究してるんだ。われわれは珍しい悦楽の愛好者であり、美を慕う永遠のドン・ファンである。」
「君らは偽善者だ。」とついにクリストフは用捨なく答え返した。「あえて言うのを許してくれ。僕は今まで、僕の国だけが偽善者の国だと思っていた。ドイツ人は偽善者であって、常におのれの利益を追求しながらいつも理想を口
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