トフはテーブルに両|肱《ひじ》をつきその拳《こぶし》に頤《あご》をのせて、娘の素振りを熱烈な眼で見守っていた。彼の精神はあまりとらわれていなかったので、彼女の狡猾《こうかつ》から欺かれはしなかった。しかしそれからひきつけられないほど自由でもなかった。そしてあるいは憤りの声をもらしたり、あるいはひそかに笑ったりしながら、罠《わな》にかかりかけると肩をそびやかしていた。
も一人の者が彼の様子をうかがっていた。それはロールヘンの父だった。背が低くでっぷりして、鼻の短い大きな顔で、禿《は》げてる脳天は日にやけ、まわりに残ってる昔の金髪は、デューラーの聖ヨハネのように、厚く巻き縮れてい、髯《ひげ》はすっかり剃《そ》り、冷静な顔つきをし、口の角《かど》に長いパイプをくわえて、彼は他の百姓らとごくゆっくり話しながら、クリストフの無言の身振りを、流し目にうかがっていた。そしてひそかに笑みをもらしていた。やがてちょっと咳《せき》払いをした。小さな灰色の眼の中に、悪意の光を輝かせながら、クリストフのテーブルの横手に来てすわった。クリストフは不快になって、しかめた顔をふり向けた。するとその老人の狡猾《こう
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