や自分のうちにはいないで、クリストフのうちにいた。そして彼もまた、ポットペチミットの誇張に厭な気がした。その危険な傾向から引き止めてやろうと工夫した。けれどポットペチミットの口をつぐませることは容易でなかった。彼はクリストフの曲を皆歌いつくすと、クリストフがその名前を聞いただけでもすでに豪猪《やまあらし》のように髪を逆立てた、凡庸《ぼんよう》作家の力作を歌おうとしたので、シュルツはそれを止めさせるためにどんなに苦心したかわからなかった。
 幸いにも晩餐の知らせがあったので、ポットペチミットは口をつぐんだ。そして彼の腕前を示すべき別な戦いとなった。こんどは彼の独《ひと》り舞台だった。クリストフは午餐の時に手柄を立ててやや食い疲れていたので、もう少しも彼と争おうとしなかった。
 夜はふけていった。食卓のまわりにすわって三人の老人連中は、クリストフを見守っていた。彼らは彼の言葉を一々のみ下していた。かくて現在、この辺鄙《へんぴ》な小さな町で、今日まで一面識もなかった老人たちに取り囲まれ、ほとんど家族以上に彼らと親密にしているということが、クリストフにはきわめて不思議に思われた。世の中に自分の
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