の句にもとづいて書かれたものであった。それをクリストフは通俗|叢書《そうしょ》の中で読んだことがあって、その誠直さを愛してるのだった。ことに二人の詩人は、兄弟のように親しく思われた。二人とも天分が豊かであったが、ともに三十歳で死んでいた。一人はパウル・フレミンクという愉快な詩人で、コーカサスやイスパハンへ自由な旅を試み、戦争の野蛮や生活の悲哀や時代の腐敗などの中にあって、純潔な愛情深い清朗な魂を失わなかった人である。も一人はヨハン・クリスチアン・ギュンテルという放肆《ほうし》な天才で、風のままに放浪しながら、暴飲と絶望とに身を焦がした人である。クリストフはギュンテルから、彼を圧倒する敵なる神にたいする挑戦と復讐《ふくしゅう》的反語との叫びを、打倒されながら天に雷電を投げ返すタイタンの恐ろしい呪《のろ》いを、くみ出したのであった。そしてフレミンクからは、アネモネやバジレネへ寄する花のように香ばしくやさしい恋の歌、――また澄み切った楽しい心の舞踏歌《タンツリード》たる星のロンド、――またクリストフが朝の祈祷《きとう》のように諳誦《あんしょう》していた自身へ[#「自身へ」に傍点]という悲壮な
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