見出すことであったろう。彼はその中に身をのがれることができたであろう。しかし両家はまったく不和になっていた。もうたがいに顔を合せることもなかった。ただ一度、クリストフはローザに出会った。彼女はミサから出て来るところだった。彼は彼女に近寄るのを躊躇《ちゅうちょ》した。彼女の方は、彼の姿を見ると、やって来ようとする様子をした。しかし彼がついに、石段を降りてる信者たちの人波を分けて、彼女に近づこうとすると、彼女は眼をそらした。彼がそばまで行くと、彼女は冷やかに挨拶《あいさつ》をして、そのまま通り過ぎた。彼はその若い娘の心の中に、強い冷酷な軽蔑《けいべつ》の念があるのを感じた。彼女がやはり自分を愛していて、それをうち明けたがってることを、彼は感じなかった。彼女はしかしその愛を、罪ででもあるようにみずからとがめていた。クリストフを不良で堕落してると信じ、ますます自分と縁遠いものであると信じていた。かくて二人はたがいに永久に取失った。そしてそれは、どちらにとっても、かえっていいことだったろう。彼女は善良ではあったが、彼を理解するには十分の生活力がなかった。彼は愛情と尊重とをほしがってはいたが、喜び
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