、際知れぬ遠くからくる冷い気流、そのなかに峙立った巖の上で、錆びくちた鉄柵にかこまれて、彼等は十分間の自由に嬉々として、彼等の肺活量一杯に、妖精の叫びを挙げるのです……。」
 おう、大地に対するノスタルジーを亡失したる児等よ、彼等のうちのせめて幾人か、将来、その叫声の意味を理解せんことを!



底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社
   1967(昭和42)年11月10日第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2006年4月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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