、ほとんど息もしないで、言った、というよりむしろ口ごもった。
「すべてを知られた今となっては、御主人としてあなたは、私がもうコゼットに会ってはいけないとお考えになるでしょうか。」
「その方がいいだろうと思います。」とマリユスは冷ややかに答えた。
「ではもう会いますまい。」とジャン・ヴァルジャンはつぶやいた。
 そして彼は扉《とびら》の方へ進んでいった。
 彼はとっ手に手をかけ、閂子《かんぬき》ははずれ、扉は少し開いた。ジャン・ヴァルジャンは通れるくらいにそれを開き、ちょっと立ち止まり、それからまた扉をしめて、マリユスの方へ向き直った。
 彼はもう青ざめてるのではなく、ほとんど色を失っていた。目にはもう涙もなく、ただ悲壮な一種の炎が宿っていた。その声は再び不思議にも落ち着いていた。
「ですが、」と彼は言った、「もしおよろしければ、私は彼女に会いにきたいのです。私は実際それを非常に望んでいます。もしコゼットに会いたくないのでしたら、あなたにこんな自白はしないで、すぐにどこかへ行ってしまったはずです。けれども、コゼットのいる所に留まっており、やはり続けて会いたいと思いますから、すべてを正直に
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