は出口を認めたのである。
 永劫《えいごう》の罰を被って焦熱地獄の中にありながら突然出口を認めた魂にして始めて、その時ジャン・ヴァルジャンが感じた心地を知り得るだろう。その魂は、焼け残りの翼をひろげて、光り輝く出口の方へ、狂気のごとく飛んでゆくに違いない。ジャン・ヴァルジャンはもう疲労を感じなかった。もうマリユスの重みをも感じなかった。足は再び鋼鉄のように丈夫になって、歩くというよりもむしろ走っていった。近づくにしたがって、出口はますますはっきり見えてきた。それは穹窿形《きゅうりゅうけい》の迫持《せりもち》で、しだいに低くなってる隧道の丸天井よりも更に低く、丸天井が下がるにしたがってしだいに狭《せば》まってる隧道よりも更に狭かった。隧道は漏斗《ろうと》の内部のようになっていた。かくしだいにつぼんでる不都合な形は、重罪監獄の側門を模したもので、監獄では理に合っているが、下水道では理に合わないので、その後改造されてしまった。
 ジャン・ヴァルジャンはその出口に達した。
 そこで彼は立ち止まった。
 まさしく出口ではあったが、出ることはできなかった。
 丸い門は丈夫な鉄格子《てつごうし》で閉
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