の利己心を持っている。一時の生命もその権利を有していて、未来のために常に犠牲にせらるべきものではない。現在地上を通るべき順番になっている時代は、後に地上を通るべき順番になってる他の時代のために、結局同等な他の時代のために、その命脈を縮めらるべきはずではない。すべての者[#「すべての者」に傍点]とよばるるある者がつぶやく。「私は存在している。私は年若く恋に燃えてる。あるいは、年老い休息を欲してる。私は一家の父であり、働き、繁昌《はんじょう》し、事業に成功し、貸し家を持ち、政府に預けた金を持ち、幸福であり、妻も子も持っており、すべてそれらのものを愛し、生き存《なが》らえたい。私を静かにさしておいて欲しい。」そういう所から、ある時におよんで、人類の豪侠《ごうきょう》なる前衛に対する深い冷淡さが生じてくる。
その上また高遠なる理想は、戦いをなしながらその光り輝く天地を去るということを、吾人は是認したい。明日の真理なる理想は、咋日の虚偽から、その方法すなわち戦いを借りてくる。未来なる理想は、過去のごとく行動する。純潔なる観念でありながら、自ら違法の行為となる。おのれの勇壮のうちに暴戻をも交じえる。その暴戻については自ら責を負うのが至当である。主義に反したる時宜と便宜との暴戻であって、必ずその罪を負わなければならない。理想がなす反乱も、古い軍法を手にして戦う。間諜《かんちょう》を銃殺し、反逆者を処刑し、生ける者を捕えて未知の暗黒界に投げ込む。死を使用する。そしてこれは重大なことである。理想はもはや、その不可抗不可朽の力たる光明に信念を持たないがようである。剣をもって人を打つ。しかるにいかなる剣も単一なるものはない。あらゆる剣は皆|両刃《もろは》である。一方で他を傷つける者は、他方でおのれを傷つける。
以上の制限を付しながらも、しかも厳重に付しながらも、未来の光栄ある戦士らを、理想の司祭らを、そが成功すると否とを問わず、吾人は賛美せざるを得ないのである。彼らの業が流産に終わろうとも、彼らは尊敬に値する。そしておそらくその不成功のうちにこそ、彼らはいっそうの荘厳さを持つ。進歩にかなったる勝利は、民衆の喝采《かっさい》を受くるに足る。しかし勇壮な敗北は、民衆の心を動かすに足る。一つは壮大であり、一つは崇高である。成功よりもむしろ主義に殉ずることを取る吾人に言わすれば、ジョン・ブラ
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