のことを言ってる。調べたらすぐわかることだ。ああそうだ、調べるといったところで、パリーは海のようなもんだ。だれがシャンマティユーじいなんかを知ってよう。だがバルーさんなら知ってる。バルーさんの家に聞いてみなさい。その上で私をどうしようと言いなさるのかね。」
男はそれで口をつぐんで、なお立っていた。彼はそれだけのことを、高い早い嗄《しわが》れたきつい息切れの声で、いら立った粗野な率直さで言ってのけた。ただ一度、群集の中のだれかにあいさつするため言葉を途切らしただけだった。やたらにつかんでは投げ出したようなその断定の事がらは、吃逆《しゃっくり》のように彼の口から出た。そして彼はその一つ一つに、木を割ってる樵夫《きこり》のような手つきをつけ加えた。彼が言い終わった時、傍聴人は失笑《ふきだ》した。彼はその公衆の方をながめた。そして皆が笑ってるのを見て、訳もわからないで、自分でも笑い出した。
それは彼にとって非常な不利であった。
注意深いまた親切な裁判長は、口を開いた。
彼は「陪審員諸君」に、「被告が働いていたという以前の車大工親方バルーという者を召喚したが出頭しなかった、破産をして行方
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