てごらんなさい。」と医者は言った。
彼女は腕を差し出した、そして笑いながら叫んだ。
「まあ、ほんとに、あなたにはおわかりになりませんの。私は治《なお》ったのですわ。コゼットが明日《あした》参りますのよ。」
医者は驚いた。彼女は前よりよくなっていた。息苦しさは和《やわら》いでいた。脈は力を回復していた。突然生命の力がよみがえって、その衰弱しきったあわれな女に元気を与えていた。
「先生、」と彼女は言った、「市長さんが赤ん坊をつれに行かれましたことを、サンプリスさんはあなたにおっしゃいませんでしたか。」
彼女になるべく口をきかせないように、また彼女の心を痛めるようなことをしないようにと、医者は人々に頼んだ。彼はまた規那皮《きなひ》だけの煎薬《せんやく》と、夜分に熱が出た場合のため鎮静水薬とを処方した。そして立ち去る時修道女に言った。「よくなってきました。幸いにも果たして市長が明日《あした》子供を連れてこられたら、そうですね、望外なことがあるかも知れません。非常な喜びが急に病気を治《なお》した例もあります。この患者の病気は明らかに一つの臓器病ですし、しかもだいぶ進んでいます。しかしまった
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