なさい。そして明日《あした》アラスへ行くだね。」
「今晩行かなくちゃならないんだ。」
「ではだめだ。それじゃあやはりタンクの宿へ行って、なお一頭馬をかりるだね。そして馬丁に道を案内してもらうだね。」
彼は道路工夫の助言に従って、道を引き返していった。そして三十分後には、りっぱな副馬《そえうま》をつけて大駆けに同じ所を通っていた。御者だと自ら言ってる馬丁は、馬車の轅《ながえ》の上に乗っていた。
それでも彼はなお急ぎ方が足りないような気がした。
もうまったく夜になっていた。
彼らは横道に進み入った。道は驚くほど悪くなった。馬車はあちこちの轍《わだち》の中へ落ちこんだ。彼は御者に言った。
「どしどし駆けさしてくれ。酒代《さかて》は二倍出す。」
道のくぼみに一揺れしたかと思うと、馬車の横木が折れた。
「旦那《だんな》、」と御者は言った、「横木が折れましたぜ。これじゃ馬のつけようがありません。この道は夜はひどいですからな。旦那がこれからタンクへ戻って泊まるんなら、明日《あした》は早くアラスへ行けますが。」
彼は答えた。「繩《なわ》とナイフはないかね。」
「あります。」
彼は一本の木
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