私は自分の兄弟といっしょに歩いていた。それは私の子供のおりの兄弟であった。そしてここに言っておかなければならないことは、私はその後彼のことを考えたこともなければ、もはやほとんど覚えてもいなかったのである。
私どもは話し合っていた。そしてまたいろいろな通行人に出会った。私どもは昔隣家に住んでいた女のことを話していた。その女は街路に面した方に住み初めてからは、いつも窓を開いて仕事をしていた。話をしながらも、私どもはその開かれた窓のために寒さを感じていた。
平野のうちには一本の樹木もなかった。
私どもはすぐそばを通ってゆく一人の男を見た。その男はまっ裸で、灰色をして、土色の馬に乗っていた。頭には毛がなく、頭蓋骨《ずがいこつ》が見えており、その上には血管が見えていた。手にはぶどう蔓《づる》のようにしなやかで鉄のように重い鞭《むち》を持っていた。その騎馬の男は私どものそばを通ったが、何とも口をきかなかった。
私の兄弟は言った。「くぼんだ道を行こうじゃないか。」
一本の灌木《かんぼく》もなく一片の苔《こけ》もないくぼんだ道があった。あらゆるものが、空までも、土色をしていた。しばらく行くと
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