黙想の最中にわかに椅子《いす》から立ち上がり、戸を閉ざし閂《かんぬき》をさした。何かが更にはいってきはしないかを恐れた。何か起こるかも知れないことに対して身を護った。
 間もなく彼は燈火《あかり》を消した。それがわずらわしかったのである。
 だれかが自分を見るかも知れないと彼は思ったらしい。
 だれが? 人が?
 悲しいかな、彼が室に入れまいとしたところのものは、既にはいってきていた。彼がその目を避けようとしたところのものは、既に彼を見つめていた。彼の本心が。
 彼の本心、すなわち神が。
 けれども初めは、彼は自ら欺いていた。彼は安全と孤独とを感じた。閂をして彼はもうだれにもつかまることがないと思った。蝋燭《ろうそく》を消して彼はもうだれにも見らるることがないと思った。そこで彼はほっと安心した。両肱《りょうひじ》をテーブルの上につき、掌《てのひら》に頭をささえ、暗やみのうちで瞑想《めいそう》しはじめた。
「自分はいったいどこにいるのか。――夢を見ているのではないのか。――何を聞いたのか。――ジャヴェルに会って彼があんなことを言ったのは本当なのか。――そのシャンマティユーというのはいった
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