マティユーは捕えられました。彼はなお手に林檎の枝を持っていました。彼は拘禁されました。ここまでは単に懲罰だけです。しかし天命が働いてきます。その牢《ろう》はこわれかけていましたので、予審判事はシャンマティユーをアラスの県の監獄に移したがいいと思ったのです。そのアラスの監獄にはブルヴェーという前科者がいました。何かのために拘禁されたのですが、行ないがよかったので牢番にされていました。ところがシャンマティユーがそこに着くや、ブルヴェーは叫びました。『やあ、わしはこの男を知ってる。こいつはいわくつきの男だ。おい、貴様、おれを見てみろ。貴様はジャン・ヴァルジャンだな。』『ジャン・ヴァルジャン! いったいジャン・ヴァルジャンてだれの事だい。』とシャンマティユーは驚いたふうをしました。がブルヴェーは言いました。『白ばくれちゃいけねえ。貴様はジャン・ヴァルジャンだ。ツーロンの徒刑場にいたろう。二十年前の事だ。俺といっしょにいたじゃねえか。』シャンマティユーは否定しました。なにそれはありそうなことです。調査が進められました。私の方にも調べがきています。結局こういうことが発見されたのです。そのシャンマテ
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