題はこういうのであった。「クリトン将軍[#「クリトン将軍」に傍点]、コルンワリス将軍[#「コルンワリス将軍」に傍点]、並びにアメリカ鎮守府の提督らとかわしたる[#「並びにアメリカ鎮守府の提督らとかわしたる」に傍点]、ゼルマン卿の書信[#「ゼルマン卿の書信」に傍点]。ヴェルサイユ[#「ヴェルサイユ」に傍点]、ポアンソー書店[#「ポアンソー書店」に傍点]、および[#「および」に傍点]、パリー[#「パリー」に傍点]、オーギュスタン河岸[#「オーギュスタン河岸」に傍点]、ピソー書店[#「ピソー書店」に傍点]、発行[#「発行」に傍点]。」
 彼の文は次のごときものである。
「おお汝《なんじ》はだれぞ!
 伝道書は汝を全能と呼び、マカベ書は汝を創造主と呼び、エベソ人《びと》に贈れる文《ふみ》は汝を自由と呼び、ベーラク書は汝を無限と呼び、詩篇《しへん》は汝を知恵および真理と呼び、ヨハネは汝を光と呼び、列王記は汝を主と呼び、出埃及記《しゅつエジプトき》は汝を天と呼び、レヴィ記は聖と、エズラ書は正義と、万物は神と、人は父と呼ぶ。しかれどもソロモンは汝を慈悲と呼ぶ。しかして、これこそ汝のあらゆる名のうちの
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