リットが尋ねた。
 ボーイは答えた。
「皆様へと言って旦那《だんな》方が置いてゆかれた書き付けです。」
「なぜすぐに持って来なかったの。」
「旦那方が、」とボーイは言った、「一時間後にしか渡してはいけないとおっしゃったものですから。」
 ファヴォリットはボーイの手からその書き付けを引ったくった。それは果して一通の手紙であった。
「おや!」と彼女は言った、「あて名がないわ、だがこう上に書いてある。」
 びっくりすることとはこれである。
 彼女は急いで封を切り、それを披《ひら》き、そして読み下した。(彼女は字が読めるのだった。)

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 愛する方々よ!
 われわれに両親のあることは御承知であろう。両親、貴女たちはそれがいかなるものであるかよく御存じあるまい。幼稚な正直な民法では、それを父および母と称している。ところで、それらの両親は悲嘆にくれ、それらの老人はわれわれに哀願し、それらの善良なる男女はわれわれを放蕩息子《ほうとうむすこ》と呼び、われわれの帰国を希《ねが》い、われわれのために犢《こうし》を殺してごちそうをしようと言っている。われわれは徳義心深きゆえ、彼らのこと
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