うに林檎を食うために作られている。美は汝より始まる。僕は今イヴのことを言ったが、イヴを作ったのはそれは汝だ。汝は美人発明の特許権を得てもいいのだ。おおファヴォリット、こんどは汝と呼ぶことをやめよう、詩から散文の方へ移るのだ。君は先刻僕の名のことを言ったね。それは僕の心を動かした。しかしわれわれが何であろうとも、われわれは名前に疑問をいだこうではないか。名前も誤ることがある。僕はフェリックス([#ここから割り注]訳者注 繁昌幸福の意[#ここで割り注終わり])という名だ、そして少しも幸福ではない。言葉は嘘《うそ》つきである。言葉がわれわれにさし示すことをむやみに受け入れてはならない。栓《せん》を買わんためにリエージュ([#ここから割り注]訳者注 キルク栓の意[#ここで割り注終わり])の町に手紙を書き、手袋を得んためにポー([#ここから割り注]訳者注 革の意[#ここで割り注終わり])の町に手紙を出すは誤りである([#ここから割り注]訳者注 ファヴォリットの名は寵愛の意を有することを記憶せられたい[#ここで割り注終わり])。ダーリア嬢よ、僕がもし君であったら、ローザと自分を称したい。花にはいい
前へ
次へ
全639ページ中300ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
豊島 与志雄 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング