敬の言葉を発した。「あのズボンはどうだ! あの元気はどうだ!」
 ファンティーヌに至っては見るも喜ばしい女であった。そのみごとな歯並びは明らかに神から一つの職分を、すなわち笑いを、授かっていた。長い白ひものついた麦藁《むぎわら》編みの小さな帽子を、頭に被《かぶ》るよりもむしろ好んで手に持っていた。そのふさふさした金髪は、ややもすれば波打って容易に解《ほど》けやすいので絶えず押さえ止めなければならなかった、そして柳の木の下を逃げてゆくガラテア姫にもふさわしく思われるのだった。その薔薇《ばら》色の脣《くちびる》は人を惑わす魅力をもってむだ口をきいていた。その口の両端は、エリゴーネの古代面におけるがように肉感的にもち上がっていて、男の元気を励ますように見えた。しかし影深い長い睫毛《まつげ》は、顔の下部のそのはなやかさの上に、それを静めるためででもあるかのようにしとやかに下がっていた。その全体の服装《みなり》は、歌うがごとく燃ゆるがごとく、何ともいえない美しさだった。葵《あおい》色の薄ものの長衣をつけ、海老茶《えびちゃ》色の小さな役者靴をはいていた。靴のリボンは、真っ白な繊《こま》かな透き靴足
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