教が神秘な考察のうちに頭をつき込んだ徴《しるし》は何もない。使徒たる者は大胆なるもいい、しかし司教たるものは小心でなければならない。言わば恐るべき偉大な精神のために取り置かれてるある種の問題にあまり深入りして探究することを、彼はおそらく差し控えたであろう。謎《なぞ》の戸口の下には犯すべからざる恐怖がある。そのほの暗い入り口はそこにうち開いているが、人生の旅人なる汝らには、入るべからずと何物かがささやく。そこに足をふみ入れる者は禍《わざわい》なるかな! 抽象と純粋思索との異常な深淵のうちにおいて、言わばあらゆる信条の上高く座を占めて、天才らはおのれの観念を神に訴える。彼らの祈祷は大胆にも議論の提出であり、彼らの礼拝は質疑である。その峻嶮《しゅんけん》を試みんとする人にとっては、それは多大の憂苦と責任とのこもった直接的宗教である。
 人の瞑想には際限がない。それは自ら危難を冒しておのれの眩惑《げんわく》を分析し推究する。一種の荘厳な反動によって自然を眩惑するともほとんど言い得るであろう。吾人を囲む神秘な世界はその受けしところのものを返して、おそらく観者は被観者となるであろう。それはともかく
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