、夢想するためには無窮の天がある。足下には耕耘《こううん》し採集し得るもの、頭上には研究し瞑想《めいそう》し得るもの、地上に数株の花と、空にあらゆる星辰《せいしん》と。
十四 彼の思想
最後に一言する。
今述べたようなこの種のこまかなことは、ことに現今においては、そして現時流行の語をもってすれば、ディーニュの司教にある「汎神論《はんしんろん》者」的面影を与えるかも知れない、そして、彼を非難することになるか、もしくは賞賛することになるかはともかくとして、往々[#「往々」は底本では「住々」]孤独な人の心のうちに萌《きざ》し生長してついに宗教の地位を奪うまでになる現世紀特有な個人的哲学の一つが、彼のうちにあったことを信ぜさせるかも知れない。それでわれわれは、ビヤンヴニュ閣下を実際に知っていた人たちは一人としてそのような考え方をしていいと思っていた者のないことを、力説しておかなければならない。彼を輝かしたところのものは、その心であった。彼の知恵は、そこから来た光明によって得られたものであった。
体系的思想の皆無と行為の豊富。深遠な推論は眩迷《げんめい》をきたすものである。司
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