の鎌首をもたげました。
『さあ、さあ!』少しじれったくなって来たクイックシルヴァは、低い声で言いました。『メヅサに飛びかかれ!』
『でも落ち着いて、』と、パーシウスにつきまとっている真面目な、響のいい声が言いました。『下へおりて行く時、盾をよく見て、最初の一太刀《ひとたち》をしくじらないように気をつけなさい。』
パーシウスは、盾に映ったメヅサの顔から目を離さないで、注意深く下の方へおりて行きました。近づけば近づくほど、蛇の生えた頭と鉄のような胴体とは、いよいよ物凄くなって来ました。とうとう、メヅサの上から手の届くあたりまで舞下ったと思った時、パーシウスは剣を振上げました。と同時に、メヅサの頭の蛇が恐しい勢で一つ残らず立上って、メヅサはくわっと目を見開きました。しかしもう遅かったのです。剣は業物《わざもの》、それがまた雷光《いなずま》のように打ちおろされたのだからたまりません。流石に兇悪なメヅサの首も、ぽろりと胴体からころがり落ちました!
『天晴《あっぱれ》の手並だ!』とクイックシルヴァは叫びました。『急いでその首を魔法の袋の中へ入れるんだ。』
パーシウスが驚いたことには、彼が頸にか
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