えました。『あなたの手から小石を落したら、ちょうど彼等のまん中に落ちるでしょう。』
『彼女が第一にゴーゴンを見つけるだろうとわたしは君に言ったろう、』[#「』」は底本では欠落]とクイックシルヴァはパーシウスに言いました。『そら、いるだろう!』
彼の真下二三千フィートのところに、パーシウスは小さな島を見ました。岩で出来た岸をぐるっと取巻いて、海は白い泡となって砕けていましたが、ただ一方の岸だけは、雪のように真白《まっしろ》な砂浜になっていました。彼はその方に向っておりて行って、黒い岩の崖の下に何だかきらきらとかたまったような、重なり合ったようなものをよく見ると、これはしたり、あのおそろしいゴーゴン達がいるのでした! 彼等は雷のような海鳴《うみなり》の音で、いい気持になって、ぐっすり寝込んでいました。というのは、こんな獰猛《どうもう》な動物を眠りに誘うためには、他のものなら聾《つんぼ》になってしまうほどの騒音が必要だったからです。月の光は彼等の鋼鉄のようなうろこや、砂の上にだらりと垂れた金の翼の上にきらきらと光っていました。彼等が、見るもおそろしい真鍮の爪をにゅっと出して、波に打たれた岩
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