、すぐにちょっと見せて貰わないと困るよ!』
しかしこの時、三人目のシェイクヂョイントという姉妹が、ぶつぶつ言い出しました。彼女の言い分は、彼女が見る番だのに、スケヤクロウとナイトメヤとが、いつでも二人きりで眼を持っていたがるというのでした。この口論をやめるために、スケヤクロウ婆さんは、額から眼をはずして、それを手に持って差出しました。
『どちらでもお取りよ、』と彼女は叫びました、『そして、このくだらない喧嘩を止してよ。あたしは、まあしばらく真暗闇《まっくらやみ》を楽しみましょう。でも、はやくお取りったらさあ。でないと、あたしがまた額に嵌めてしまうよ!』
そこで、ナイトメヤとシェイクヂョイントとは、二人とも手をのばして、スケヤクロウの手から眼をひったくろうとしてさぐり廻しました。しかし二人とも同じようにめくらですから、スケヤクロウの手の在処《ありか》が容易に分りません。スケヤクロウも亦、今はシェイクヂョイントやナイトメヤと同様真暗闇ですから、眼を渡そうにも、すぐにはどっちの手にも出くわさないのです。こうして(君達利口な子にはすぐ分る通り)これら三人のおばあさん達は、おかしな風にまごつ
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