が王様のためにそれを取って来て上げることを引受けはしたものの、石にされてしまうことを心配していることなどを話したのです。
『石になっちゃ可哀そうだ、』とクイックシルヴァは人の悪いほほ笑みをうかべて言いました、『尤も、君は大変立派な大理石の像になるだろうがね。そして、ぼろぼろになってしまうまでには、何百年もかかるだろう。しかし大抵誰でも、石像になって何百年も立っているよりは、数年間でもいいから青年でいたいからね。』
『ええ、全くその方がいいですよ!』とパーシウスは、また目に涙をうかべながら叫びました。『それに、もしもかわいい息子が石にされてしまったら、僕の大事なお母さんはどうするでしょう?』
『まあ、まあ、そんな縁起でもないことにはしたくないもんだ、』とクイックシルヴァは元気づけるような調子で答えました。『もし誰かが君を助けることが出来るとすれば、わたしを措《お》いてないのだ。今じゃ恐しいような気がするけれども、君がその冒険を無事に切り抜けるように、わたしの姉とわたしとが出来るだけ骨を折って上げよう。』
『あなたのお姉さんですって?』とパーシウスは訊《き》き返しました。
『そう、わたしの
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