思い出しました。村はたしかに昨日まであったのです。そして今はもうないのです!
『ああ! あの村の人達は、可哀そうに、どうなったのでしょう?』と、心のやさしい老夫婦は叫びました。
『彼等は、もはや男や女としては生きていない、』と、年上の旅人は、荘重な、深味のある声で言いましたが、その時、遠くの方で、雷がそれに応《こた》えるようにごろごろと鳴ったような気がしました。『彼等のような生活は、何のやくにも立たなかったし、またちっとも美しいところもなかった。というのは、彼等は人と人との間のやさしい愛情を働かして、人間の苦しい運命をやわらげて、少しでも楽しいものにしようとは決してしなかったから。彼等の胸には、もっといい生活の面影が少しも残っていなかった。だから、ずっと前にあった湖が、再びひろがって来て、ただ空を映《うつ》すというようなことになってしまったのだ!』
『それから、あのおろかな人達はどうなったかというとね、』と、クイックシルヴァは例のいたずららしい笑い方をして言いました、『みんな魚にされてしまったのさ。別に大して変えることも要らなかった、というのは、彼等はもとからうろこの生えたような下等な
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