と湧き出して来て、泡立った、いい匂いの牛乳で、壺の口まで一杯になってしまいました。フィリーモンが、驚いてその不思議な壺を取り落さなかったのが、めっけものでした。
『不思議をおあらわしになる旅の方々《かたがた》、御身《おんみ》達は何人《なにびと》であらせられますか?』フィリーモンは、さきにボーシスが驚いたよりもなお一層驚いて、そう叫びました。
『こうして御邪魔に上った客ですよ、フィリーモンじいさん、そしてあなたの友達さ、』年上の方の旅人は、どことなくやさしくていて、自然に頭が下るような、おだやかな、深味のある声で答えました。『わたしにも牛乳を一杯下さい。そしてこの壺が、困っている旅人のためと同じく、親切なボーシスとおじいさんとのためにも、決して空《から》になることのないように!』
もう夕飯もすんだので、見知らぬ人達は寝室へ案内してほしいと言いました。老夫婦はもう少し彼等と話をして、自分達の感じている不思議の思いを述べたり、貧弱な夕飯が、あんな思いもよらないような、結構な、そして十分な御馳走となった喜びを語ったりしたいと思いました。しかし、彼等は年上の方の旅人の威厳に打たれてしまって、物
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