った挨拶ですね。一体、あなたはどうしてこんなに柄《がら》の悪い所に住んでいるんです?』
『ああ!』フィリーモンは、静かに、やさしく笑って言いました、『ほかにもわけはありましょうが、神様はわしをここに置いて、村の人達がひどくしたお前さん方に、出来るだけの償《つぐな》いをするようにとのお心だと思いますのじゃ。』
『よくも言って下さった、おじいさん!』と旅人は笑いながら叫びました、『そして、実際のことをいうと、僕の連れと僕とは、本当に何とかしてもらいたいところなんですよ。あの子供達(まるで小ギャングですね!)は、泥のかたまりを投げつけて、僕達をすっかり泥だらけにしてしまいました。それから、やくざ犬のうちの一疋が、もとから大分ぼろだった僕の外套を引裂いてしまうし。しかし僕はそいつの鼻っぱしを、杖で横から打ってやりましたよ。こんなに遠くても、そいつが鳴いたのが聞えたろうと思いますがね。』
 フィリーモンは彼が大変元気なのを見て、嬉しく思いました。また、実際、誰しも、彼の顔附や様子を見ると、長い一日の旅に疲れ切っている上に、最後になってひどい目に遇ったのでがっかりしているとは思えなかったでしょう。
前へ 次へ
全307ページ中220ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ホーソーン ナサニエル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング