犬がこんなに大きな声で吠えるのを聞いたことがない!』といいおじいさんは言いました。
『子供達があんなに乱暴に騒いだこともありませんね!』といいおばあさんは答えました。
 彼等はお互に、頭を振りながら坐っていました。その間に、騒ぎはだんだん近づいて来ました。そしてとうとう、彼等の小さな家の建《た》っている小高い丘のふもとを、二人の旅人が歩いてこちらへやって来るのが見えました。彼等のすぐあとから、くっつくようにして唸りながら、きつい犬共がついて来ました。それから少しはなれて、子供達の一群が駆けて来て、金切り声をはり上げて、その二人の旅人に向って、力いっぱい石を投げつけていました。二人のうちの若い方の男(彼はほっそりとして、大変活発な身体《からだ》つきをしていました)が、一二度うしろに向きなおって、手に持った杖で犬を追払いました。彼の連れの、大変背の高い方の人は、犬共にも、またその犬の真似をしているらしい子供達にも、目をくれることさえ馬鹿らしいといったような風に、平気で歩いて来ました。
 旅人は二人とも、大変粗末な身形《みなり》をして、財布には宿賃を払うだけのお金もなさそうに見えました。そし
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